幼児期〜少年期
2、3歳の時によじ登ったテーブルの上から窓の外へ転落、3階から通りに落ちて頭を打ってね。それ以来、私は言葉を失ってしまった。医者は「脳に何かが起きたらしいけれどはっきりしないので、このまま様子を見よう」と言って氷を頭に当てるだけだった。そして結局私は誰からも放って置かれた。母の注意を引くため椅子をがたがたしても無視されるだけ、友達と話も出来ないから学校へ行くのも辛かった。唯一、気分良く過ごせたのは、絵を書いている時。誰かと友達になりたい時は、その子の絵を書いて、自分の気持ちを表現したんだ。
そんな9歳のある日、神様が私の頭をパカッとひらいて、何かをぱっぱっとふりかけたような出来事があった。その日私は、よく通っていた教会の牧師に思っていることを伝えたくて3時間もねばったんだ。彼は私を座らせると字が書けるかどうか尋ねた。それは生まれて初めて誰かが私に注意を払ってくれていると感じた時で、彼は私が何を言をうとしているのか、何度も何度も理解しようとしてくれ、とうとう私は一冊の本が欲しいと伝える事が出来た。それは手品の本で、牧師は3ドルほどだったその本を買ってくれた。今もその本は持っているよ。本当に嬉しかった。すぐにその本で勉強を始めて一生懸命に覚えた。どんどん上達していくと、みんな手品が見たくて近づいてきたし、先生にもパーティーで手品をして欲しいと、頼まれるようになり。勉強が出来る友達に手品を教える代わりに勉強を教えてもらったりして、徐々に学校での自信をつけていった。牧師は、新しい手品に必要な小道具も買ってくれ、教会のイベントでは手品ショーの場を作ってくれた。
私の人生に大きな影響を与えたもう一人の人物にアーティストのジョージ・ダンジグがいた。彼は4年間もの間、私に話し方のレッスンをしてくれ、大勢の人の前で話す自信をつけてくれた。無視されてばかりいた自分が、学校や地域の人気者になっていったある日、ジョージに「手品の小道具が必要なら自分の絵を売ってごらん」と言われたのがきっかけで、学校の通りで絵を売り始めた。子供のための絵のコンペで優勝もしたし、だんだんと絵描きになる夢を持ち始めるようになった。そして結局、その夢のためにハーレムにやって来たんだ。 |